尾張旭市の本地ヶ原神社は天狗伝説の石がある神社です、尾張旭市に妖怪の天狗が?そんな驚きもあると思います。早速現地に行ってきました。
天狗のかかと石
神社入口には尾張旭市教育委員会の看板もありました。
天狗のかかと岩
むかしむかし、この本地ヶ原一帯はうっそうと茂った『白山』と呼ばれる森でした。この白山には一人の天狗が住んでいて、くる日も、くる日も、山の上から村の方を見下ろしては、『なまけ者はいないか、泣き虫の子はいないか』とさがしていました。雨の日には、天狗の火で山が青白く光って見えたりしました。村の人たちは、泣いてばかりいる子や、ひどいいたずら坊主に『そんな子は、天狗がさらっていくぞ』と言ったものでした。
ある日、白山の天狗は猿投山に住む仲間の天狗に急用があって、出かけることになりました。ひとっとびに飛んで行くには、すこしばかり遠いのかで、がけの上にあった石を踏み台にして『えいっ!』とばかりに飛んでいきました。ところが、いつもより強くふんだので、石の上に足のかかとがめりこんで、あとが残ってしまったということです。
~尾張旭市のむかしばなし~
その石が『天狗のかかと石』です。昭和50年ごろまで長坂町の矢田川の南のがけの上にありましたが、本地ヶ原一帯が住宅地になり、この本地ヶ原神社の本殿のわきに移されました。この石は、7世紀に築造された市内で唯一の横穴式石筆をもつ『天狗岩古墳』の天井石のひとつだったといわれています。
尾張旭市教育委員会
これがその石
看板の奥にその現物の石がありました。天狗が踏んで穴が空いたといわれてみれば、情報が少なかった昔は『なるほど~』と納得できる様な石です。尾張旭市教育委員会の見解は古墳の天井石とのこと。自然の穴なのか、人工的に作られた穴なのかはわかりませんけれど。
私の感想ですが、妖怪や鬼は地域の教訓のために作り出されることが多いと思います。その理由は、よく泣く子どもやイタズラばかりする子どもにやめさせるため、天狗という恐れられる存在をイメージさせたのでしょう。怖いから泣き止む、イタズラしないなど。
もちろん非科学的な話で、到底、存在しない様に思われがちですが、もしかすると本当に存在したのかもしれません。まあ、これも昔話の醍醐味だと私は思います。