■著者 山田悟
■発行所 株式会社サンマーク出版
■価格 1400円+税
■一言でいうと 脂質(脂肪)は体に良いのでどんどん取りましょうという本
脂肪のアタリマエ
脂肪、油と聞いて思い浮かぶのはイヤなイメージばかり。
・太る
・動脈硬化を起こしやすい
・血管が詰まりやすい
・早死する
これは1950年代にアメリカで唱えられた脂質悪玉説がもとになっており、最近まで常識と思われていました。しかし近年になって脂質の効果が見直され、2014年にアメリカで脂質制限を撤廃する方針などが米国糖尿病学会で発表されたのです。
脂肪=体に悪いものというイメージで育ってきた私は、この本を手にした時、『なんて非常識なタイトルの本なんだ!』と驚きましたが、中身を読んでいくと素人にも納得のわかりやすい説明でした。
著者は『超』がつくほどの専門家
著者の山田悟氏は医学博士をもった医師で、北里大学北里研究所病院院長補佐、糖尿病センター長という糖尿病の専門医。『自分の努力で30kgのダイエットに成功しました~』というユーチューバーとは違い、医学的なエビデンス(物事の根拠や証拠のこと)をもとになぜ脂肪が体に良いのかを解説しています。
私が注目したのがここ!
これは単にダイエットの本ではなく、脂質を多く取り入れて健康になりましょうという内容。また健康だけでではなく、脂質は私達の生活やパフォーマンスにも良い影響があるということが書かれています。印象的だったのは以下の項目
・『疲れにくい』『太りにくい』を実現する脂質起動
・アブラは太るはウソ
・子ども、高齢者にもオススメ!脳の健康を守る脂質
・脂質が、がんから守ってくれる理由
・脂質たっぷりで生活習慣病も遠ざかる
・脂質が運動パフォーマンスを上げる
気をつけたい2つのアブラ
この本はアブラをどんどん摂りましょうという内容ですが、アブラなら何でも良いというわけではありません。特に【摂ってはいけない2つのアブラとは】の項目は必ず読んでおきたいです。また最後の方にどんなアブラをとればいいのか?おすすめのアブラも紹介しています。
医学は日進月歩なので、昔の常識が今の非常識になることも多いです。この脂肪に関する内容もそうでしょう。ダイエットや健康が気になる方にぜひ、読んでほしい1冊だと思います。